5.一寸先は紅のくちづけ

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「近藤先生は知ってるんですか?教えてくださいよ」 「いいから!早く行ってこいよ。日が暮れちまうぞ」 「まだ午前中ですけど」 「俺は仕事だから忙しいんだよっ!」 「はいはい、分かってますよー」 何だか、一度にたくさんのお兄ちゃんができたみたい。 休みの日は暢気に過ごしてるし。 陽気だし。 感覚が違いすぎるのかと思ってたけど、意外とそうでもない。 ちょっとずつ、ちょっとずつ、警戒心が解けていくこの感じ。 わたしってば順応早すぎ? よかった。 いい人たちにめぐり会えて。 なんて思っちゃうの。 でも。 暢気なのはわたしのほうだった。 このときはまだ、ちっとも分かってなかった。 みんなの別の顔を…
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