2.我が上の星は見えぬ

1/12
240人が本棚に入れています
本棚に追加
/537

2.我が上の星は見えぬ

ぱちっ。 目が覚めた。 よかったぁ、夢で… あんなの、目覚め悪すぎ。 そりゃ涙も出るよ。 よっぽど怖かったのね。 落ち着いたところで、深いため息。 ぼんやりと天井の木目を見ていた。 あれ…? ここ、わたしの部屋…? 「じゃない!」 自分の部屋の白い壁と天井がない! ベッドではなく、見慣れない6畳ほどの和室に敷かれた布団。 ばさっと慌てて飛び起き、部屋を見渡す。 「痛っ…」 足を挫いたのは夢の中だったはず。 ズキズキと痛む右の足首。 熱を持っているのが分かる。 それよりここ、どこ…? 誰の家? 一瞬にして不安に襲われ、加速する鼓動。 うーん… 眉間にシワをよせて考える。 病んでる? まだ夢の中なのか… 考えても考えても全然分からなくて頭を抱えた。 襖の向こうから足音。 誰かこっちに来る! 寝たフリしようか… 「あ…」 「目ぇ覚ましたか」 さっきの人… 普段、人見知りなんてしないのに無意識にバリアを張る。 やっぱり何かの撮影だった? 袴姿に時代錯誤な髪型。 ストレートの黒い艶髪。 肩に届くほど長い髪をポニーテールのように後ろでひとつに束ね。 カツラにしては超自然な髪型なんですけど。 じーっと見て境界線を探す。 地デジ対応なの? まさか地毛? 役作りってやつ?     
/537

最初のコメントを投稿しよう!