9.心に灯りをともす

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「高貴なお身分とその御手のお力は、弱き者を守るため、どうかいかなるときも公平にお使いくださいませ」 「相分かった。ここでそなたに誓おう」 「お殿様…」 「近藤」 「はっ!」 「そなたも証人だ。會津の皆も、もちろん新選組の皆もな」 世の中の難しいことはよく分かんない。 ただ単純に、大切な人たちがいなくなるのは嫌なの。 大切な人たちが傷つけられるのは嫌なの。 歴史を学ぶたび、疑問だった。 なぜ身分が存在するのか。 なぜ日本人同士が憎しみあい戦うのか。 なぜ人間は戦争をしたがるのか。 そう思うのは、戦争のない国に生まれたからだろう。 身分はなくなったけれど、残念ながら現代社会の中にも差別はまだある。 ここでも現代でも、わたしには何の力もないかもしれない。 歴史を変えるなんて、大それたことはできない。 ほんの小さなことしかできないの。 差別には毅然と立ち向かい。 平和を祈り、声にする。 どんな時代でも絶対に忘れてはいけないこと。
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