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2.我が上の星は見えぬ
ぱちっ。
目が覚めた。
よかったぁ、夢で…
あんなの、目覚め悪すぎ。
そりゃ涙も出るよ。
よっぽど怖かったのね。
落ち着いたところで、深いため息。
ぼんやりと天井の木目を見ていた。
あれ…?
ここ、わたしの部屋…?
「じゃない!」
自分の部屋の白い壁と天井がない!
ベッドではなく、見慣れない6畳ほどの和室に敷かれた布団。
ばさっと慌てて飛び起き、部屋を見渡す。
「痛っ…」
足を挫いたのは夢の中だったはず。
ズキズキと痛む右の足首。
熱を持っているのが分かる。
それよりここ、どこ…?
誰の家?
一瞬にして不安に襲われ、加速する鼓動。
うーん…
眉間にシワをよせて考える。
病んでる?
まだ夢の中なのか…
考えても考えても全然分からなくて頭を抱えた。
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