15.まことの恋

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「笑顔のかいらしい、人懐っこい子やった。そや、そないなとこは似てる気ぃすんな」 「もうひとり娘がでけて、うちはほんまに嬉しいんよ。なぁ、あんたもそやないんか?」 「そやな、花嫁姿はいつか見られるかもしれん。それまでここにおってくれるか?」 「いいんですか…?」 「当たり前や。男には気ぃつけや。可愛い娘傷もんにしたらしばいたる」 おじさん、おばさん… そんなこと言われたら涙が止まらなくなっちゃう。 「お世話になります…」 「明日から花嫁修行でもしよか。泣いてる暇はあらしまへん!ビシビシ鍛えんで。覚悟しぃや」 「よろしくお願いします」 廊下では、心配の面持ちでみんなが待っていてくれた。 「そんなに泣いて…」 「左之助兄ちゃ…」 「よし!」 真っ先に飛び込んだ。 みんなが見守る中、左之助兄ちゃんの胸の中で大泣き。 「俺の胸で思いっきり泣け!」 自分がよく分からない。 気持ちを抑えられなくて、大泣きするほど好きだなんて。 こんなに人を好きになったのは初めてかもしれない。 心が通わなくても、潔く諦められるかな?
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