18.愛し青の戀人

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「明里さん?」 自分は天神(てんじん)で、天神は太夫に次ぐ位だと言った。 「あんたの名前、当てたろか?」 「えっ…?」 「かれんちゃん」 「えっ?!」 「せやろ?」 「どうして?!知ってるんですか?!」 「さっきまで一緒にいはったんは、原田先生どすやろ?」 何、この人は… サイキック? いや、まさか… 美女スパイ?! 島原って、当然ながら新選組と敵対する人たちも出入りしてるよね…。 浮かれた男だけじゃなくて。 何たって屯所のご近所だし。 その可能性はないとは言えない! 「あ、今うちのこと間者や思たんちゃう?」 「え?!なぜそれを…?!」 読まれてる… やっぱり超能力者では?! まさか、そんなことあるか! 「ふふふ、やっぱりなぁ」 「違うんですか?」 「ちゃうわ、間者がこーんなベラベラ話すわけないやろ?」 「いやでも油断させといて情報を得るって可能性も…」 「あれまあ、確かに。賢いわぁ」 新選組に間者が潜んでいた、って事件も実際にあったし。 あれは、まだ壬生浪士組時代、芹沢先生が亡くなった直後だった。 局長は当初から間者ではないかとずっと怪しんでいたところ、永倉さんを暗殺しようと企てていたことが発覚。 6人中3人は取り逃がしてしまったようだけど…3人は粛清。     
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