4.憂鬱の浅葱色

9/23
370人が本棚に入れています
本棚に追加
/868ページ
「かれん!」 「は、はい?」 「左之助(さのすけ)、いきなり馴れ馴れしすぎやしないか?」 「いいんだよ。このほうが早くお互いを知れるってもんだろ」 「たしかにそうかも…」 「會津の出身なんだって?」 「はい」 「容保(かたもり)様と會津にはお世話になってるからね。今後ともよろしくね、かれんちゃん」 「いえいえ、こちらこそ」 彼らは永倉新八(しんぱち)さん、原田左之助さん、藤堂平助さんと言った。 さっきの夕方の斬り合いで、土方歳三と一緒にいた3人だ。 仲いいのかな。 この人たちと沖田総司とはすぐに仲良くなれそう。 「會津といえばよ!俺の故郷(ふるさと)の伊予松山と少なからず縁があるんだぜ。加藤嘉明公って槍の殿様がいてな。槍使いとしては尊敬しちゃうね!」 「カトウヨシアキ…?」 「知らねぇか?あの賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦で功名を上げた“賤ヶ岳の七本槍(しちほんやり)”のひとりだ」 「ああ!織田信長亡き後、豊臣秀吉と柴田勝家が戦った戦だな」
/868ページ

最初のコメントを投稿しよう!