星降る夜に、君を抱き締めたい。

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「……カリン、帰るぞ」 数秒後、やっと陽が口を開いた。 ムンズとカリンちゃんの腕を掴む。 「やだよ。帰らないよ。陽と一緒になんて、帰らない」 「カリン……」 「カリン、カリンって気安く呼ばないで。私は陽を好きにならないって決めたんだから。だって、だって、遠距離なんて、辛いだけだから」 カリンちゃんの頬を、ぽろぽろと涙が伝った。 カリンちゃんは、やっぱり陽が好きだったんだね。 「そんなの始めてみないとわかんねぇだろ」 「……陽」 陽は泣いているカリンちゃんの手を引き、椅子から立ち上がらせる。 「一緒に帰ろう。カリンに話があるんだ」 カリンちゃんは涙を拭い、コクンと頷いた。 教室を出て行く二人を、私は見つめる。 よかった……。 カリンちゃんの想いが通じて。 手紙なんて、二人には必要なかったね。 いいな。 私は聖に自分の気持ちを伝えることが出来ない。 もうすぐ卒業なのに……。 この気持ちは卒業と同時に散ってしまうんだね。
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