星降る夜に、君を抱き締めたい。

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私は自転車に跨がり、陽の家まで全速力で走らせる。陽の家には中学生の時に友達の付き添いで、バレンタインデーに一度だけ行ったことがある。 玄関のチャイムを鳴らすと、陽とカリンちゃんが一緒に出て来た。 「どーしたんだよ?吉沢」 「吉沢さん。今からみんなで卒業パーティーするのよ。一緒に行こう」 「ごめんなさい。陽がカリンちゃんに渡すはずだった手紙。私の机に間違えて入ってたんだ」 「手紙?」 陽がカリンちゃんの顔を見つめ、首を傾げた。 「それ、見せて」 私は白い封筒を差し出す。 陽は便箋を取り出し、目を見開いた。 「ぷっ、キザだな。アハハッ、まじかよ。へぇ、なるほどな……」 陽は声を上げて笑っている。 自分が書いたくせに、照れ隠しで笑ってるの? カリンちゃんは便箋を覗き込み、クスクスと笑った。 「……やだ。陽が書いたの?」 「まさか。俺がこんなセリフを書くと思う?俺はストレートな性格だから、直球勝負だし、告白するなら手紙じゃなくて直接言うし」
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