初めてのラブレター

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―京都、京薗(きょうぞの)高校― 「今日も、一番~!いっせーのせっ!」 ドアの前で両足を揃え、ウサギみたいにピョンと教室の中に入る。 入学して以来、クラスの誰よりも最初に登校することが、私の日課となっている。 それが出来たら、今日一日いい事がある気がするから。 私の名前は、吉沢香凜(よしざわかりん)十ハ歳、公立京薗高校三年生。 今日は二月二十一日、あと数日で高校生活も終わる。 推薦入試で地元の私立大学に合格した私は、他の受験生よりも一足先に受験を終え、この数ヶ月前のんびり過ごせた。 教室の窓を少しだけ開け、室内を換気すると、寒風がヒューヒューと吹き込む。 「サムッ……。今日も雪かな。毎日雪で、嫌になっちゃうな」 窓を閉めて暖房のスイッチオン、まだひんやりとした室内で一人席に着く。 昨日机の中に忘れた教科書を取り出そうと、手を突っ込むと、パラリと何かが足元に落ちた。 「……ん?」 白い封筒……? 「なんだコレ?」
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