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「『星降る夜に、君を抱き締めたい』って書いたのは……本心だから」
「……聖」
「吉沢、遠距離になるけど、俺と付き合って下さい」
「……は、はい」
聖の両手が私の体を包み込んだ。
小柄な私は聖の腕の中にすっぽりおさまり、ギュッと抱きしめられた。
二人で夜空を見上げる。煌めく星が、私達を照らしている。
ロマンチックな夜、二人の視線が重なった。
――その時、背後で足音がした。
シューッと音がし、夜空の下で赤や黄色の光が放つ。
「有言実行だな。お前らしいな」
「え、え、え、!?」
状況が理解できず、私達は慌てて離れる。
「初告白、大成功!」
「おめでとう!」
私達の後ろには、陽とカリンちゃん!?
しかも、クラスメイトまで。
「卒業パーティーに来ないと思ったら、二人でイチャついてんだもんな」
「陽、お前がみんなに……」
「吉沢にあんな手紙見せられたら、体がモゾモゾして落ち着かないだろ」
「何が落ち着かないだ。俺が失恋すると思ったんだろ」
「まぁな」
陽は花火でハートを描いた。
クラスメイトと一緒に、季節はずれの花火。
色とりどりの光が、夜空に煌めく星の光と重なり合って、キラキラと輝きを放つ。
――私達の明るい未来を……
照らすように……。
――遠距離になっても、きっと大丈夫。
私達には、素敵な想い出がたくさんあるから。
みんなはキザだって笑ったけど。
私はキュンとしたよ。
聖の……ひと言。
~THE END~
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