星降る夜に、君を抱き締めたい。

初めてのラブレター

「もちろん東京だよ。パパの転勤で一緒に京都に来たけど、私はやっぱり東京が好き。帰京して一人暮らしするの」

「そうなんだ」

「吉沢さんは一人暮らししないの？」

「地元の大学だし、父さんが一人暮らしはダメって。自宅から通うんだ」

「大学生になっても自宅はキツイね。でも吉沢さん真面目だから」

真面目だから……か。そうだよ、私は真面目でつまんない性格なんだ。

みんなみたいに、京都を飛び出す勇気はないし、卒業するのに、片想いの人にも告白出来ない。

私の片想いの相手は、双子の弟、牧瀬聖。陽が明るい太陽なら、聖は物静かな月。

「「おはよー！」」

ゾロゾロとクラスメイトが教室になだれ込む。