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「吉沢、この問題」
「あ、はいはい」
私は席を立ち、聖の傍に行く。
聖……。
聖はわかってるのかな?
私が……
今、どんなにドキドキしているのか……。
聖は……
きっと……
わかってないよね。
私みたいな地味子より、カリンちゃんみたいな可愛い女子が好きなんだ。
男の人は、みんなそうでしょう。
――も、もしかしたら……!?
あの手紙……
私とカリンちゃんの席を間違えたのかな!?
私とカリンちゃんは、席が前と後だから。
「吉沢、問題解く気がある?ボーッとしないで。問四だよ。それとも降参?」
「……あっ、ごめん、ごめん」
私は慌てて、聖に視線を向けた。
『あなたが好きです』って、言ったら、聖はどう想うかな。
やっぱり、ムリだよね。
きっと笑われて、終わりだ。
チャイムが鳴り、聖がシャーペンを置いた。
「続きは放課後だな」
「……あっ、うん」
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