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潮騒を聞いている
風に乗った鳥は
目的もなく去っていく
その先に絶望があるとも知らず
一日の終わりは
明日を産むとは限らず
温もりを知らない子供らを
ただ冷やしていく
空に放したタンポポの種は
フワリフワリと漂って
着地点を選びあぐねいている
例えばそこがアスファルトでも
詠う者に勇気を授けよ
新しく生まれる命に讃歌を
白い髭を伸ばした老人に花束を
縄文杉にはかけがえのない祈りを
今日も何処かで赤子が夜泣きしている
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