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「ほな、その日は空けとくな。俺も、この同棲から結婚するかもしれんし、住所変わったら手紙出すわ。俺の結婚式の招待状も送れたら送るで。まだ分からんけどな」
「「はい」」
「息ぴったりやな。ほな、またな」
おにーさんはローラーの音をさせながら去っていった。
*
そして、待望の二十歳の誕生日。
「ちぃーす、結婚式の招待状貰って来たんやけど」
「本当に来てくれたんですね!」
「おう、新幹線でな‥‥俺は今も独身のままや。絶賛彼女募集中」
おにーさんの視線がサクラに向いた。
「サクラはダメです!」
「ちょっとした冗談や。まずは誕生日おめでとさん」
ラミネート加工してある下敷きくらい、雑誌の切り抜き‥‥?
「これ、おにーさんが書いた僕とサクラの!?」
「そや、なかなか好評やったで。今日の出来事もネタにさしてもろてええか?」
「は、はい!」
「今日は花嫁さん静かやな、こっちは結婚祝いや」
「御祝儀まで、有り難う御座います。こちらへどうぞ」
両親とおにーさんとサクラと一緒に庭で誕生祝い。
僕とサクラの誕生日は、もちろん同じ。
「何を恥ずかしがってるの? サクラの笑顔が見たいな」
すると、桜の花が一輪咲いた。
「本当に私と結婚してくれるの?」
「勿論だよ、約束したじゃないか」
僕は、すでにタキシードを着てる。
「誓のキスを‥‥」
一輪の花にキス。
すると、頬を桜色に染めたウェディングドレス姿のサクラが現れる。
「父さん、母さん、おにーさん、ありがとう。今日、僕は結婚します」
「ん‥‥そうか。おめでとう」
「お、おめでとう」
何か微妙な感動だなぁ。
「おめでとさん、マジ羨ましいで、この野郎!」
おにーさんは拍手をしてくれた。
ありがとう。
「じゃあ、二人の初めての共同作業、ケーキ入刀するね」
僕とサクラは二人でバースデーウェディングケーキにナイフを入れた。
「必ず幸せにするよ」
「うん‥‥☆」
サクラから嬉し涙が、一筋流れ落ちた。
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