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コンサート会場では今人気の冴島涼月(サエジマリョウガ)が熱唱していた。 涼月はタレントであって、映画 ドラマ CMで引っ張りだこの上、CD迄発売し そして今日は初のコンサートだった。 涼月は16歳と言う若い年齢にも関わらず、何処か大人のムードを出していて大人の女性からも人気であった。 涼月のコンサートは昼に1公演だけであった。 それもそうだ。涼月は未成年なのだから… ドラマの撮影も夕方迄には終わらせているがCMとかの撮影もある為 毎日がバタバタしていた。 「本日はありがとうございました。次でラスト曲となります!」 涼月の一言に残念がるファンの声。 「では、聴いて下さい。『Illusion』」 最後の曲を涼月は熱唱していた。 『Illusion』の曲は他の歌よりも歌詞や曲調が少し違っていた。大切で何処か悲しく、どんなに願っても手が届かなく、でも決して諦めない!そんな力強くて切なく歌われる『Illusion』は、ファンからも人気でファンの殆どが涙した曲だった。 コンサート会場でも涙を流してるファンは沢山居る。その中で涙を流さず涼月を見つめていたのは、神末 永恋(コウズエ エレン)だった。 永恋は涼月に引き付けられる様に涼月を見ていた。涼月と目が合ってる理由でもないのに息をするのも忘れるくらい集中して見ていた。 「ありがとうございました!」 涼月の最後の挨拶に残念がるファンの声。 涼月の姿が見えなくなればアンコールの声が会場を埋めつくした。 その後 涼月は2回ステージに立って本当に終わりを迎えた。 ゾロゾロと会場内の案内人の指示に従ってファンの皆は会場を出ていった。 永恋は会場の外にあるグッズ売り場に居た。 コンサートが始まる前にライトとタオルしか購入出来なかった為、買えなかったグッズを購入していた。 今日は良かった! やっぱり涼くんはカッコイイな~ 永恋は先程のライブを思い出しながらグッズを購入していた。 よし!グッズGETできた! さぁーて!帰りますか~ 永恋は振り返って思った。 他のファンの子が もういない事に… しまった!皆の後に着いて行かないと道が解んないよ!! 永恋は方向音痴の為帰り道が解らなくなっていた。
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