◆五.

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◆五.

 哲学の道は、西田幾多郎とか京都大学の哲学者が日々ここを通って思索に耽ったことから付いたそうだ。お互い何を考えているか話したとき、私は山城先生のことで頭がいっぱいだったのに、山城先生は確かソフトクリームを食べたら余計お腹が減った、なんて言い出し始めた気がする。当時はその答えにイラっとしていた私だったけど、その後のことを考えると先生もきっとすごい緊張していたんだろうと思う。  そして、あの桜の木の下に向かうきっかけはちょうどこのあたりだった。
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