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俺の言外の問いを察したのか、オカマは今度こそ手を離して
「アナタの着ているローブ、少し古いけどとても高級なものだもの。
そのローブだけで、アタシが今着てる洋服、2、3セットは買えるわよ。」
アナタ知らなかったの?
と、オカマが少々驚いたようにいうのを見て少し反省。
俺は今、異世界にいる。
その世界の相場とかを、この年齢で知らないというのは少しまずい。
まさか異世界から来ましたって言っても信じてもらえないだろうしな。
さて、どう誤魔化そうか___きょとんとしているオカマを尻目に、どう答えようか頭を悩ます。
ゲームみたいに知能も上がっているのか、頭の回転が速い。
さすがチート。
いろいろ考えたが、時間にすると5秒ぐらいだったと思う。
しびれを切らしたオカマが口を開こうとした瞬間、俺が言葉を被せる。
「ねぇ…アナ「これから言うことを、他言しないと誓えるか?」
そういうと、オカマは怪訝そうにしながらも
「えぇ…全ての神々にかけて誓うわ。」
と、神妙そうに頷いた。
いや、そこまでたいそうなものじゃなくてもいいんだけどな。
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