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「その手を離せ。」
そう言ってから、律儀なのはいいことだが、今の俺に欲しいものは情報と金だ。
金はまぁ…どうにかなるだろう。さっき倒した狼をどこかで金に換えてもいいかもしれない。
情報は…
ちらっとオカマのほうを見ると、視線に気づいたオカマがウインクをしてきた。
気持ち悪い。
こいつに情報を聞いてもいいが、なぜか役に立たなそうな気がする。
第六感ってやつ?
そんなことを思ってたとき、俺は気づいた。
「…お前、手を離せって言っただろ。」
こいつは未だに俺のローブを掴んでいる。
しかも至近距離でローブを見つめてる。
…追い剥ぎでもするつもりか?
一瞬本気で思うぐらい、怪しい行動。____よし、殴るか。
手に拳を作ってさて殴ろうと思ったそのとき、
オカマがばっと顔を上げて
「ねぇ、アナタどこかの貴族様?それとも裕福な商人かしら?」
と、聞いてきた。
「…いや?…違うが。」
なんでだ?
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