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いつだっただろう、何年前だっただろう。
あの大切な思い出。忘れたくない思い出。
どこかへ閉まってしまった2人の思い出。
掘り起こす時に約束したよね。
『掘り起こす時は、絶対に2人で掘り起こそうね』って……。
ごめんね、もっと早く来ればよかったね。
約束果たせずにごめんね。
ごめんね…。
ねぇ、見てる?君は今どんな感じなのかな、怒ってる?笑ってる?悲しんでる?泣いてる?
もう僕には興味が無くなってるのかな…。
もしそうだとしても僕は君を恨んだりしない。
逆に恨まれるのは僕の方なんだから。
思い出を見るのが怖かった。見たら君を思い出してしまうから。
今まで拒んできてごめんね。
でもやっと決心がついたんだ。
『遅くなったね。』
僕は小さい頃お互いが使っていた2つのスコップを持ってきた。それは、思い出を埋めたスコップ。
『一緒に掘ろうよ、約束果たそうよ、君と僕で。』
桜の木の下で僕は隣にいる君と思い出を掘り起こす。
僕は君を感じた。君が見えた。君を触った、君と目が合った。君と泣いた。君と…笑いあった。
それは紛れもなく、君が見るものだった。
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