episode229 サイコパス変性 ①

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謝るべきなのか。 それとも問い詰めるのが先か――。 僕と寝ていた男を滅多刺しにしただろって? もしくはその場になんらかの きっと由々しき理由があって居合わせただけなのかって? ――とても無理だ。 「どうしたの?こんなところまで」 考える間もないまま 爪先がぶつかりそうな距離まで来て 九条敬は僕に尋ねた。 「どうしたって……僕は迎えに来たんだ……あなたの事……」 パリで毎晩アロマセラピーでも受けてたのか。 彼が近づくと微かに――だが紛い物ではない花の香りがした。 「それは――待ちきれなかったってこと?」 僕の花束が とびきり甘い声音で囁く。 「――寝坊助のくせに」 それでも僕はなかなか 顔を上げる事さえ出来なかった。
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