106人が本棚に入れています
本棚に追加
どうすればいいのか。
実際僕が一番分かっていなかった。
ここに来たのは誰より早く彼に接触する為で。
真実を話すであれ
(たとえ多少の脚色は加えるとしても――)
僕にはちゃんと事情を説明し
どんな形にしろ彼を助ける責任があった。
九条敬のような常識人が
仮に犯罪行為を犯したのだとしたら。
全ては僕のせいだ。
それ以外に理由はない。
「どうだい?まだ朝も早い」
「……え?」
「僕は長旅で疲れているし、君は少し眠そうだ」
九条さんはだんまりの僕を
上手く誘導するように囁きかける。
「近くに部屋を取って、ベッドの中で話をするっていうのは?」
最初のコメントを投稿しよう!