episode229 サイコパス変性 ①

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「知らないよ……」 正直なところ僕はずっと 薄井千尋に制裁を加えたのは彼自身だと思ってたんだ。 「本当に何も?」 「ええ。本当に何も」 それが――だ。 「意外だな」 「九条さん?」 「いいよ、話そう」 僕の身体が冷えないように 九条さんはシーツを手繰り寄せた。 「この方がいい」 白いシーツを頭の上まで被ってしまうと あたかも内緒話をするかのように声を潜める。 そして――。 「僕の後から来た男――ハロウィンの仮装に使うようなふざけたモンスターの覆面を被ってさ」 2人だけの空間で九条さんは深く深呼吸した。 「手にはナイフを持ってた。それで僕はまた――君たちお決まりの――戯れ事だと思ったのさ」
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