episode229 サイコパス変性 ①

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「こりゃ彼に会う前に心の澱を取り除いた方が良さそうだ」 「心の澱……?」 「話してごらん。君の思うとおり」 優しさ半分。 半分はいつものよろしくない好奇心。 それでも僕は話さずにいられなかった。 「あの人――征司お兄様はね、いつでも僕の一部なんですよ、椎名さん」 「うん。身内と言うぐらいだからね」 「身内、そうか。今は笑えないと言ったでしょう」 思ってもなかった身を切るような声が出た。 「ごめん。聞くよ」 「とにかくあの人は僕の一部だという思いが強いから――どれだけ怒ってたって、機嫌を損ねてたって、実際会うのはそんなに怖くはないんです」 「天宮征司が怖くない?それ本当?」 「多分」 僕がそう言うのだから本当なんだろう。 「あの人に関して僕が恐れているのはただ一つ」 「それは何?」
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