序章 惑星調査記録

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「あーいいや。本船の方は助けてくれる余裕は無いだろうし、このまま行った方がスムーズにいけそうだからって、こっちの生存報告とそのまま本来の潜入任務に入るって両方に送ってミーさん」 『了解しましたリオマイマスター。それとミルドレッドです』 「マイマスターもいらないんだけどね、正規軍人じゃないんだから」 『そのご命令には従えません。私のマスターはリオグランデ特務少尉だと書き換え不能最優先指示がされています』 「それ何とか出来ない? 現地人に乗っ取られる恐れなんてないでしょ。入らないんだし」 『申し訳ありません。不可能です』  頭上から返ってきた素っ気ない返事にリオは少しばかり落胆しながら、カスタマイズされたコクピットシートに腰かけ直し、残存武装をチェックしつつ、機体周囲の情報取得を開始する。  現地偽装を施した錫杖型マルチ武装ツールのD32型多機能ライフルは先の戦闘でロスト。    機体エネルギーと引き替えに呼び出し可能な次元コンテナには予備弾倉があるが安全装置が働いておりライフル本体が無ければ使用不能。    現地文明レベルに合わせたいくつかの簡易装備のみが使用可能だ。  しかも修理が終わったといっても、あくまで自動修復機能任せの応急処置。機体周囲を覆う養生ナノシートは外装部が、まだ戦闘が出来るレベルまで回復していない何よりの証だ。  完全修理には本船へ帰還したほうが早いくらいだ。     
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