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陰陽道は西暦六百年ごろ、唐と呼ばれていた頃の中国から仏教と一緒に日本へ渡来した オカルト系学問で星の運行を観たり人相とか家相も観て吉凶を占ったりした。
その陰陽道の術を会得した術者が陰陽師という名の、いわゆる魔術師。
だが占い師みたいなことをやるかと思えば、人を呪い殺したりといった物騒もやったという。わけても陰陽の術をもちいての妖怪退治はさまざまな伝説を生んだ。
このへん、ドラマや映画なんかにもなっていて、とても格好良いイメージがある。
けれど、実際のところ現代に生きる陰陽師の生活なんて地味もいいところだ。
そもそも、妖怪や幽霊と戦うのが仕事だというけれど、その妖怪。本当に実在するのか、しないのかわからないし、少なくともユキナは見たことがなかった。
親父さまがやっていたのは主に『恋愛占い』とか『失せ物探し』。要するに『名前だけ陰陽師の占い師』だったから、たぶん、パパも妖怪なんて見たことはないんだと思う。
残された、たくさん品々もパパが生きていれば意味のあるものだったのかもしれない。
でも、それはユキナにはいらないものだった。
ユキナは遺品を見つめながら、亡き父の言葉を思いだした。
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