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「はあ……何もしなかったら『人間』のままでいられたのにね……」
私は手を伸ばす。埋め込むパンドラは――こいつのギアと同じ、「hades」でいいかしら?
「ハデス――強制登録!」
オーバーリミットさせ、体の内側から突き出した装甲に手を当てる。
そして、私の手と、その装甲が赤く、黒く輝く。
「ごきげんよう?」
「俺は……?」
「まあ、そうね……人間の人格を一時的に上書きしたってかんじかしら?」
「そうか」
登録した設定は――「ギアとの戦闘時」。まあ、今は動作確認。
「戻りなさい?」
そしてハデスは人間の形へと戻っていく――
「――ッ!?」
「起きた?」
「おま、俺に何をした!」
「何も?」
その笑顔が憎たらしい。
「で、協力してくれる?」
俺には拒否権なんてなかった。
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