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三日後。
「hades system auto open」
システムを起動し、スラスターを吹かす。
ユーラシア大陸を飛び立ち、あまりきれいとは言えない空を飛ぶ。
まずはターゲットの姿を確認する。
目的地は札幌。
五日が経った。無事、彼ら七人を見つけ、一つの町にいるのも確認した。
あとは、やるだけ。いや、彼らを殺すだけだ。
ユーラシア連合に行かなきゃな。ミサイルを撃てるのはここの国だけだ。
「あーくそっ! 俺に殺させんなよッ! 死にたくない奴はこっから出てけ!」
ユーラシア連合の指令室めがけて駆ける。
「うわああッッ!?」
とりあえず全員を部屋から出し、例のスイッチを見つけた。レバーを「nuclear」から「normal」に切り替える。
そして汗ばんだ手で俺はスイッチを押した。
そのころ、何も知らない少年と少女は、いつも通り、町中を歩いていた。
「ねえ、ミズキ? 今日は、何作るの?」
「予定では、カレーだけど、何か好きな具材とかある?」
「んー? ミズキが決めていいよ」
スーパーを二人、ぶらぶらと歩く。そんな中。
「緊急警報、緊急警報です。ユーラシア連合からのミサイル発射を確認。直ちに避難してください。繰り返します――」
その言葉に体が勝手に反応した。
「こっちだ、ジュリア!」
「う、うん!」
栗色の髪の少女の手を引き、走る。
だが、俺は知っている。もう、どこにも逃げ場などないことを。
いくら旧型のミサイルでも、とても間に合わない。
そして、視界が白く染まり――
――俺は、ジュリアとともに、死んだ。
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