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黒みがかった赤い液体が盃を満たす酒に漂っている
そしてまた、ピチャリと赤黒い雫が盃の酒を汚す
少し粘り気がある赤黒いその雫がなんなのか酔った頭でも理解出来た
そして上から漂う異臭にも気付く
上を見て確認するべきだろうか?
いや、そんな勇気は俺にはない
あぁ、なんて事だ…
全身の力が抜けていき、脂汗をダラリ、ダラリと額から垂らし、その場で膝を屈してズズズッと座り込んでしまう
そして赤黒い液体で汚された酒の水面に俺の頭上が写し出される
桜の木の下で見てはいけない者と目が合ってしまった…
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