29(承前)

9/10
79人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 サイコが静かにいった。 「それでもわたしは自分の使命を幸福に思うよ。日乃元広しといえども、『須佐乃男』に乗って本土防衛決戦を戦えるのは、7名だけ。そのひとりに選ばれて、みんなといっしょに戦える。わたしが大好きな日乃元の人たちを守れるんだから。わたしの青春が一日で終わってしまっても、すべてを燃やし尽くして戦ってくる」  おーっと低い感嘆の声が男子から漏れた。サイコはいった。視線は自然にタツオのほうに流れてくる。 「この先になにがあっても、わたしは絶対に後悔なんてしない」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!