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ソファーに並んで座り、気付かれないように、ふうっと息をゆっくり吐く。
あまり慣れないことをしようとしているからだ。
でも、どうしても頑張りたい。
「千晃、もう寝ない?」
「どうしたの? 疲れた?」
少し私の顔を覗き込むように聞いてきた千晃に、なるべく普段通りの笑顔を見せて首を横に振った。
「ううん、そうじゃない。千晃をもっと近くで感じたい」
「……うん、分かった」
私の言葉に僅かに目を見開いたが、すぐに驚きを隠して了承してくれる。
千晃は基本受け身だし、淡白だから、こういうことが本当に難しかった。
絵里さんとはどうするんだろう。
大好きな人には、やっぱり積極的になれるのだろうか。
それから私たちは交代でお風呂に入り、パジャマに着替えて寝室へ行った。
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