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ベッドに入り込んで、千晃に身を寄せる。
あまり運動をしない千晃は細身だ。そんな千晃の背中に手を回し、ちゅっと触れるだけのキスを唇にする。
驚いた様子の千晃に笑ってしまう。
こういうところも、好きだった。
すごくかわいい。
情けないわけではないけど、グイグイ引っ張って行く方でもない。
そんなところも、全部が愛おしくて堪らない。
「千晃、好きだよ」
それだけ言って、また千晃の口を塞ぐ。
返事なんて怖くて聞けない。
でも、きっと同じ言葉は返ってこないのだから、これでいいんだ。
押し付けるような私の気持ちは迷惑だろうけど、少しだけでいい。受け入れてほしい。
私の気持ちに三年も付き合ってくれて、ありがとう。
最後に、私に千晃を刻んで。
私が千晃のいない未来を生きていけるように。
────絵里さんとの幸せを、心から祈れるように。
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