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それはそうだ。今だって、千晃が本当に好きなのは、絵里さんなのだから、その言葉は絵里さんにしか向けられない。
その証拠に、千晃は絵里さんを追いかけるように、同じ会社に就職した。
この時、やっぱり千晃が幸せになるのは絵里さんの隣なんだ、と悟った。
だから、私は誓った。
千晃が絵里さんに勇気を出して想いを告げることができそうなら、その時は千晃が迷う前にいなくなろう、と。
意外と義理堅い男なのだ、坂下千晃という人は。
きっと、私のことが引っかかって、行動を起こせないに違いない。
私は、千晃をこの三年独り占めしてきた。
千晃の時間を奪って、その隣に居座り、自分の幸せのためだけに千晃の気持ちに気付かないふりをしてきた。
でも、それを終わらせる時が遂にやってきたのだ。
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