第7章 あなたの隣で眠らせて

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 重い体を抱き留め、気を失った彼の唇に最後のキスをした。  突然、始まってしまった「終わり」に、私もまた、かなり戸惑っている。  だけど、自分が死ぬ以上に  今はあなたが死ぬことが一番、怖い。  あなたが生きていてさえくれたら、いつか。  あなたの隣で眠ることが許される気がするから―――。 「ごめんね。智樹。私、行かなくちゃ……」  愛しい人の体をそっと横に転がして、私は赤い光線の標的となる道を選択した。今の私なら、生まれ変わっても愛する人を忘れない、気がする。  胸の真ん中に赤い点が這い上がってきた。   「なにやってんだ!おまえ!!」  鈴木のビビりまくった声が響いた。  敵は撃ってこない。  私は両手を上げて、降参のポーズを送る。  死を覚悟すると、怖いものがなくなってしまうようだ。 「鈴木浩一郎。 あんたの話を最後まで聞けなかったけど、言わんとしたことは大体察してる。それを踏まえて頼みがあるんだけど、引き受けてくれると約束してくれるなら、今目の前の脅威を私が全て引き受ける」 「……なんだ、それは」 「そこの彼。私の恋人なんだ。 彼を巻き込んでしまったことを猛烈に後悔してる。 私が敵を引き付けている間に、彼を連れて逃げて欲しい」
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