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「 市に問い合わせたら昔は何世帯か近くにあったらしいじゃないか 」 「 だよね じゃなきゃ電気とか下水とか通んないもんね 」 「 林業が盛んだった頃の話じゃ 道まで出ればバスも通っちょった 」 「 いつから独りなの 」 「 忘れたわ 爺さんが死んだのが20年くらい前じゃろ 」 「 うわぁ 子供がいるらしいじゃないか 市の人が言ってたぞ 」 「 山暮らしを嫌って出ていった馬鹿者じゃ どこぞで野垂れ死んでおろう 」 「 うわぁ それよりばあさん市の職員が来ただろう 」 「 やはり貴様らの差し金か 」 「 差し金って あのなぁ 」 「 たたき返してやったわ 」 「 真月 庭で遊んでないで ちゃんと参加しろ 手強いぞ 」 「 見て見て なんか変なの捕まえた 」  1か月ほど前、山姥捜索中に夕暮れの林の中から鎌を手にした老婆が現れた。「 山姥だぁぁッ 」真月の絶叫に「 だぅあぁれがぁ山姥じゃ 」鎌を持った老婆が追いかけて来た。人生で一番怖かったかも知れない、しばらく走って3人で息切れした。3人とも我に返って「 ハァ ハァ ハァ おばあちゃん お家まで送って行くよ 」「 ハァ ハァ 余計なお世話じゃ 」そう言って歩きだす老婆に仕方なく着いて行った。     
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