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私は王城からの帰り道、いつものように騒がしく賑わっている街を通り、家を目指していた。 その道中多くの人から声をかけられた。 「お、国の英雄マルコムじゃねぇか」 「あなたすごいわねぇ」 「一躍有名になったなぁ」 私はそういったことを言い、賞賛してくれる人たちに軽く会釈をしながら、家へと歩みを進めていた。 そのとき後ろからいきなり肩を組んでくるやつがいた。とても馴染みのある顔だ。青色の瞳に短い髪、とてもイケメンであるとは言えないが愛嬌があり整っている顔立ち。体つきはゴツいとまではいかないがしっかりしている。 そんな私の友人……いや、私の親友であるマックが肩を組んできたのだ。 「見たことがある顔があると思ったらマルコムじゃねぇか。お前王様のとこ行ってたのか?」 マックの顔を見てみると赤くなっていた。おそらくさっきまで酒を飲んでいたのだろう。 酔っ払いの相手など本来はまっぴらごめんなのだがマックなのできちんと反応してやる。 「そうだが、何か用でもあるのかマック」 「特にねぇけどよ、王様のところ行ってたんなら褒美をもらったんだろ。ならその褒美で二人で飲みまくろうじゃないか」 全く、よくもまあ人の貰い物で酒を飲もうなどと言えたものだ。それに褒美を貰う約束はしたがまだもらってはいない。 そのことを言っても良かったがせっかくのお誘いに水を差すのも嫌だったので言わなかった。 その代わりに私は「いいだろう。飲みに行こう」とそう言った。
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