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「放置って……。
ただ単に仕事が忙しいだけなの。
それに、多忙なのはお互い様だし……」
透は基本土日祝日が休みだ。
休日はもっぱら仕事に追われている百々子が透との時間を確保するのは難しかった。
それは透だって同じだろう。
けれど、お互い社会人五年目の今、それは今さら始まったことではない。
だから初めの頃は、特に気に留めることはなかった。
これが自分たちの生活スタイルなのだと、百々子はそう理解していたつもりだった。
「お互い様って……」
百々子の恋愛事情を知っている由希はやれやれといった様子だ。
「先輩、確かこの間は久しぶりの土日休みでしたよね。
彼には会えたんですか?」
思わず黙り込む。
答えはNOだ。
「やっぱり……。
そうだと思いました。
会えなくなってもうどれくらいですか?」
「一ヵ月経ったかな」
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