358人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさい。
私、先輩の彼のこと何も知らないのに、無神経なこと言っちゃって……」
「ううん、私こそごめんね。
由希ちゃんは私のことを思って言ってくれたのに……」
悲しそうに瞳を揺らす百々子に由希は小さく首を横に振る。
「謝らないで下さい。
私だって、もし自分の大切な人が悪く言われてしまったら嫌ですもん。
先輩は彼と付き合いが長いからこそ、一番近くにいるからこそ、尚更そう思いますよね」
伏し目がちに口元を緩める。
“一番近くにいるからこそ”――果たして、今はそう言えるのだろうか。
唇を噛み締めて思う。
由希のことだから、きっと見透かしているだろう。
「……先輩、私、また無神経なこと言います。
でも、今の先輩を見ていられないから、言うことを許して下さい。
これは私からの本気の提案なんですけど、やっぱり一緒に街コン行きませんか？」
最初のコメントを投稿しよう！