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「休みを確保するのは企業として当たり前のことですよ。
よそのイベント企画会社と比べない下さい。
よそはよそ、うちはうちです。
それに休みが確保されているだけマシって言いましたけど、どこがですか!?
シーズンともなると休日返上なんて当たり前じゃないですか!」
「……由希ちゃん、今日は随分とご機嫌斜めだね」
由希の不平不満は今さら始まったことではないが、今日はやけに突っかかってくる。
困ったように微笑む百々子に由希は今にも泣きそうな声で答えた。
「先輩……私ここで働いてたらいつか婚期逃します。
ていうか、もうすでに逃しました……」
「え? 婚期逃すって……つい最近、今の彼と婚約したばかりじゃ……」
そこで何となく察した。
まさか、と口を開けた瞬間、由希がすかさず入り込む。
「一昨日婚約破棄されました。
結婚してからもこんな不規則な生活が続くお前とは一緒にいられないって」
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