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ふとちらりと廊下に視線を移す。
そこには、数人のクラスメイトと談笑する透の姿があった。
百々子は視線を剃らし、ため息をつくともう一度鞄の中を覗いた。
「さっきから何こそこそしてんの」
突然、菜穂が覗き込んできた。
「わっ、びっくりした!」
慌てて鞄を閉じて顔を上げる。
「怪しい……何か私に隠してるでしょ」
「いや……別に隠してるとかそういうわけじゃ……」
「いいから白状しな」
完全に追い込まれてしまった。
百々子は観念したように自供した。
「ウソッ!
ミヤに弁当を作ってきた!?」
「ちょっと菜穂! 声大きい!」
シッと、慌てて口元に人差し指を当てると、菜穂はニヤニヤした笑みを浮かべた。
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