18歳、初夏-2

3/15
159人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
ふとちらりと廊下に視線を移す。 そこには、数人のクラスメイトと談笑する透の姿があった。 百々子は視線を剃らし、ため息をつくともう一度鞄の中を覗いた。 「さっきから何こそこそしてんの」 突然、菜穂が覗き込んできた。 「わっ、びっくりした!」 慌てて鞄を閉じて顔を上げる。 「怪しい……何か私に隠してるでしょ」 「いや……別に隠してるとかそういうわけじゃ……」 「いいから白状しな」 完全に追い込まれてしまった。 百々子は観念したように自供した。 「ウソッ!  ミヤに弁当を作ってきた!?」 「ちょっと菜穂! 声大きい!」 シッと、慌てて口元に人差し指を当てると、菜穂はニヤニヤした笑みを浮かべた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!