159人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
それからは透と走る日々が続いた。
学校が終わったら二人で三ツ沢公園に直行。
念入りにストレッチしてランニングコースを走る。
帰りはいつも百々子を家まで送ってくれた。
そして時には、短距離走の練習にも付き合ってくれた。
正しいフォームから走り方の基本、バトンパスのコツまで、透はたくさんのアドバイスをくれた。
言い方にとげのある日もあったが、そこには必ず透の優しさがあった。
透と走り込みを始めて10日目。
四限目の従業が終わり、昼休みを迎えた。
その日の百々子はいつになくそわそわしていた。
どうしよう。いつ切り出そう。
鞄を開いては閉じる。
さっきからそれの繰り返しだった。
最初のコメントを投稿しよう!