27歳、触れたくて、触れられたくて

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手術後翌日、百々子は仕事を休むという選択はしなかった。 何事もなかったかのように出社すると、案の定陽一はびっくりしていた。 何か言いたげな表情をしていたけれど、彼は目を瞑るようにいつも通り接してくれた。 たとえ仕事を休んでも、現実は何も変わらない。 不安は消えるどころか、押し寄せてくる一方だ。 ただ、一人でいたくなかった。 一人でいることがどうしようもなく怖かった。 今は何も考えられないくらい仕事にすがっていたかった。
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