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一瞬、沈黙が流れた。
シンクロするとは思わなかったので反射で歯切れが悪くなった。
「ごめん、被っちゃったね。
透からでいいよ。何?」
「あー……なんていうか」
透は居心地が悪そうに視線を泳がした。
「今日、珍しい恰好してたな」
予想外な返答に構えていた肩の力が抜けた。
同時に、ぱっと花が咲いたように百々子の表情が明るくなった。
彼が言う“珍しい恰好”とは、今日百々子が纏っていた服装のことだろう。
実はというと、アパレルイベントを迎える数日前、会社近辺にあるブティックに立ち寄り、洋服を見立ててもらっていたのだ。
もちろん、コーディネートを考案してくれたのは由希だ。
しかし彼女が見立ててくれた服装は百々子が絶対に着ないと断言できるようなお姉系ファッションだった。
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