168人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「仕事、落ち着いたから」
事後の余韻に浸るように裸のまま寄り添い合っていると、透は言った。
胸板にすり寄せた頬を離し、彼を見上げる。
「本当……?」
落ち着いたということは、これからは透に会える時間が増えるということだ。
不安げに瞳を揺らして見つめる百々子に透はくすっと微笑んだ。
「ああ。これからは早く帰れるよ」
嬉しさのあまりぱぁっと花開くように百々子の顔が明るくなった。
透に頭を優しく撫でられ、百々子はふふっと声を立てて笑う。
「何笑ってんだよ」
「だって、透って頭撫でるの好きだよなぁって思って。
高校の頃からだよね、もう癖なのかな」
最初のコメントを投稿しよう!