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だけど、どんなに体面を取り繕っても身体は正直だ。
「先輩、大丈夫ですか?
なんか体調悪そうですけど……」
翌日、昼休憩に入った途端由希に声を掛けられた。
心配そうに窺う由希に百々子は微笑んだ。
「そう?
全然大丈夫だよ。
いつもと何ら変わりなし!」
「でも……」
「ほら、もたもたしてないで社食行こ!
早く行かないと席なくなっちゃうよ」
回避しようと、由希の背中に手を当てて社食へ促す。
ちらりと振り向いた由希は心配そうに眉間に皺を寄せていたが、それでも知らない顔をした。
決して誰かに寄り掛かることはせず、百々子は気丈に振る舞い続けた。
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