27歳、離れていく距離

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昼休憩を早く済ませた百々子は息つく間もなくオフィスに戻った。 デスクに向かい合い仕事に没頭していると、 「月岡さん」 背後から優しく肩を叩かれた。 振り向くと、陽一が優しげな笑みを浮かべて立っていた。 「朝比奈主任……お疲れ様です」 「お疲れ様。 ちゃんと休憩とった? 戻って来るの早くない?」 「はい。 ちょっとやり残したことがあったので……」 本当は、すぐに片づけないといけない仕事ではなかった。 でも、今は何でもいいから何かに意識を持っていきたかった。
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