後悔という名の代償 Toru Miyase

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百々……寝てるかな。 寝てるよな、さすがにこの時間だと。 躊躇した結果ダイヤルボタンは押さず、 “今夜も帰れない。遅くなってごめん” というメッセージを入れて返した。 「そっけない返事だね」 上から相良の呆れた声が降ってくる。 「勝手に覗くなって」 「彼女への連絡でしょ? そんなんでいいの? もしかしたらずっと宮瀬の連絡待ってたのかもしんないよ。 時間帯を配慮して電話しないと決めたんならせめて甘い言葉の一つや二つくらい付け加えてあげたらいいのに」 それができたら苦労しない。 思わず遠い目になる。 「意外とそっち(恋愛)方面は不得意だよね、宮瀬って。 彼女のことも話したがらないし、クールでドライな奴なのかなーと思ったら 定期入れにちゃっかり彼女の写真入れて持ち歩いているあたり可愛いとこあるよねぇ」
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