後悔という名の代償 Toru Miyase‐2

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翌朝、透が目を覚ますと、百々子はずいぶんと気持ちよさそうに眠っていた。 起こさないようにそっと上半身を起こし、百々子の頭をふわりと撫でた後、服を着て、寝室を出た。 時計の針は5時を向いていた。 随分早くに目が覚めたなと思いながら、リビングへと向かう。 ここ最近の不眠不休の連日を振り返ると、 5、6時間の睡眠なんて“ほんの少し”にしか過ぎなくて、 時間を補うにはとてもじゃないけど追いつかないのだけれど、 でも、不思議と身体はすっきりしていて、心地よかった。 テーブルにつくなり、コンピューターの電源を入れる。 OSが起動する間にキッチンでコーヒーを沸かし、少し身体を温めてから腰を落とした。 そしてキーボードのホームポジションに指を乗せれば――あっという間に何千行に及ぶソースコードが創られる。 室内にはカタカタとキーボードを叩く無数の音だけが満ちていて、それらがすとんと身体に溶けていくように、透は休むことなく打ち続けた。
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