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そっと玄関のドアを開ける。
部屋の中はしんとしていた。
「……百々?」
――いないのか?
靴を脱ぎ捨て、
冷たい廊下に差し込む灯りを
たどるように歩く。
小さく息を吸い込み、
ドアのぶを開いたそのとき、
目の前に広がる光景に
胃の底が冷えてしまうほどの衝撃を受けた。
白い壁を彩る手作りの飾りつけ。
華やかで可愛らしい、
いかにも百々子が好みそうなデザインだった。
頭の血を巡らせるが、
まるで追い付かない。
透は茫然となりながらも、近づいていく。
ふと捉えた視界――
そこでようやく確信した。
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