後悔という名の代償 Toru Miyase‐4

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そっと玄関のドアを開ける。 部屋の中はしんとしていた。 「……百々?」 ――いないのか? 靴を脱ぎ捨て、 冷たい廊下に差し込む灯りを たどるように歩く。 小さく息を吸い込み、 ドアのぶを開いたそのとき、 目の前に広がる光景に 胃の底が冷えてしまうほどの衝撃を受けた。 白い壁を彩る手作りの飾りつけ。 華やかで可愛らしい、 いかにも百々子が好みそうなデザインだった。 頭の血を巡らせるが、 まるで追い付かない。 透は茫然となりながらも、近づいていく。 ふと捉えた視界―― そこでようやく確信した。
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