後悔という名の代償 Toru Miyase‐4

「透くんと私は似てると思った。
だから透くんなら、私の全部を受け入れてくれると思ったの。
百々子さんから引き離したくて、
透くんが出張に行っているとき、
あざみ野のマンションに押しかけた。

百々子さんを陥れるような言葉で責めて、
“透くんは惰性で付き合っているようにしか思えない”なんて、
ありもしないひどい言葉を一方的に言って、
私はあなたの大切な人を、百々子さんを傷つけたの。

どれほど謝っても許されないことをしたと思ってる。
本当に、本当にごめんなさい……」

綾が百々子を対峙していた事実を知り、
透は大きなショックを受けた。

百々子はどれほど傷ついただろう。

きっと自分が知らないところで、
計り知れない痛みに耐えていたことだろう。

まだまだ知らないことだってたくさんあるはずだ。

透は眉根を寄せて、唇を噛み締める。

でも、それでも綾を責める気にはなれなかった。